腰痛

腰痛の症状別解説


種類 1. 急性腰痛 <軽い場合> 

(痛みのメカニズム)
さまざまな事情で筋肉の弾力性が低下しているときに動いた拍子に筋肉・筋膜がわずかに損傷して痛みがでてくるものです。
いわゆる“軽い肉離れ的腰痛”です。

(症状)
損傷した筋肉に力を入れたり、伸ばしたりしたら痛い。
また、当初は損傷部に炎症が起こっているのでズキンズキンという痛みがある。

(対応)
この場合は、患部を冷やして、痛みの出る動作や姿勢を取らないように注意していれば数日で回復します。当初は炎症を起こしているので、くれぐれもマッサージや指圧は厳禁です。

ただ、筋肉に負荷をかけず、筋肉を修復していくソフトな自然形体療法ならば回復を早めることになります。


<重い場合>

(痛みのメカニズム)
動きとともに筋肉が伸縮した際、弾力性を失っている筋肉は動きについていけないために筋肉・筋膜が損傷し、また同時にその硬い筋肉が背骨や骨盤を引っ張ってしまうため、ズレを引き起こしてしまった状態になります。そして、背骨・骨盤を支えている他の筋肉はズレによって引っ張られ緊張し、また損傷部を守るためにも過緊張となり、腰から下肢の血管・神経を圧迫することになります。そのために痛み、重だるさ、しびれ感などが腰から下肢に拡がっていくのです。
いわゆる“ギックリ腰”です。

(症状)
じっとしていても痛い、どんな姿勢をしても痛い、側臥位で横になるとましであるが、筋肉を損傷しているため炎症が起こっておりズキンズキンという痛みがある。下肢にしびれが出たり、腰がだるくて同じ姿勢を保てない。曲げ伸ばしができないので自分で靴下がはけない、何とも情けない状態の腰痛です。

(対応)
こんなときは、炎症が起こっており、何をしても、薬を飲んでも痛みはひきません。とにかく患部を冷やし炎症が上がりきる迄、安静にして待つしかありません。寝ているのが一番ですが、どうしても動かなければならない時は、骨盤をサラシや骨盤ベルトでがっちり固定すると、筋肉の負担が減り多少は痛みがましになります。固定は骨盤であって、ウエストではありません。くれぐれもお間違えのないようにして下さい。

ただ、痛みがすぐに引くわけではないが、自然形体療法やダイナミック整体を適切に使い分けて骨格と筋肉のバランスを調整しておくと、10日かかるところが5日で回復したりする例が多くあります。自分で自分を治す恒常性機能を高めるのが、自然形体療法だからです。

腰痛の症状別解説


2.慢性腰痛 

ほとんどの慢性腰痛では、疲労物質が筋肉に蓄積して弾力性が低下し、それにより締め付けられた毛細血管が血行不良となり、細胞に必要な酸素や栄養が送られなくなることで痛みがあらわれてきます。

痛みの原因、発症のメカニズムはいくつもあり、上記の説明はそのうちの一つですが、痛みのある時のほとんどの場合は、筋肉は硬くひきつったような状態であるといえます。

筋肉を硬くする疲労物質は通常、代謝作用により分解され体外に排出されていくのであるが、その機能が低下することにより、筋肉内に蓄積され続け、ある許容量を超えると痛み、だるさなどの症状が現われてくることになります。


以下のような症状はありませんか?

・何をしていても腰が何となく重い、だるい。
・少し動くとツッパリ感がある、ピキピキいう。
・動くとポキポキ関節が鳴る。
・じっと立っていると腰から脚が痛くだるくなってくる。
・朝に洗面所でかがんだ時に、腰が痛い。
・座っていて立ち上がる時に、腰が痛くて伸ばせない。
・あぐらをかいていると腰が痛くなる。
・不自然な姿勢で、作業をするとすぐに腰が痛くなる。
・立っていて、腰を前に曲げると痛い。
・立っていて、腰を反ると痛い。
・同じ動作を繰り返すと、腰が痛くなる。
・片足に体重をかけると、そちらの腰や脚が痛くなる。
・歩くと腰が痛くなる。
・腰が痛くなると、足の指先がしびれてくる。
・脚を組んでパソコンをしていると腰が痛くだるくなる。
・座っていて腰が痛くなると、脚を組んでしまう。
・朝起き上がるときに、腰が痛い。
・朝痛くて動きづらいが、昼頃には和らいでくる。
・いつもデスクワークなのにたまに立っているとすぐに腰が痛くなる。
・仰向けに寝ていると腰が反って痛い。

 などなど・・・・・・・・

これらは、慢性腰痛の症状です。痛みの出方にはいろんなパターンがあるので痛い部分や痛みを作っている原因もさまざまです。はっきりした病名がないものもありますが、症状や痛い部分の状態、骨格バランスの歪みなどから施術方法を選択していくのがよいでしょう。

以下では現在、治療の現場で多い腰痛のパターンについて説明していきます。


<背骨、骨盤の歪みが大きく影響している場合>

(痛みのメカニズム)
不自然な姿勢で立ったり座ったり、または作業を続けていると、その不自然な形を体が覚えてしまい、歪んでいることが当たり前なのだと 体が勘違いしてしまうのだが、その状態は、左右の筋肉の緊張の度合いがアンバランスなため、 背骨や骨盤も筋肉に引っ張られ同時に歪むことになる。

この状態で常に緊張にさらされている筋肉は老廃物が溜まりやすく、硬くなり血行も悪いため非常に疲れやすいのです。疲れてくると、姿勢を保てないので、ますます歪みが大きくなっていくという悪循環が起こります。そして、筋肉の緊張の許容量を超えた時に痛みがあらわれてきます。
また、ズレた背骨のすぐ際の過緊張した筋肉により、神経が圧迫されて痛み、しびれが出たりします。

(症状)
ズレた背骨・骨盤の際を押すと痛い。腰から脚にかけて痛みやしびれが出る。動作の可動範囲が制限され、特定の方向に動くと痛みが出る。疲れやすく、同じ姿勢を保てない。片側の筋肉が膨隆しており、そこが痛くだるくなる。

(対応)
自然形体療法とダイナミック整体を適切に使い分けて、背骨・骨盤の歪みを矯正し、筋肉の不要な緊張を和らげていくことで、痛みの原因を取り除いていきます。あとは、歪みをつくり出す姿勢・動作に気をつけ、疲労回復のために、食事、入浴、睡眠、軽い運動を心がけることが大切です。


<疲労が大きく影響している場合>

(痛みのメカニズム)
日常生活の中での仕事、家事、育児、趣味などさまざまな状況において、体と心には良くも悪くも負担がかかってきます。肉体自体が疲れたり、精神面のストレスから疲労を感じたりする。疲労がたまっても、通常は睡眠中に回復していくのですが、回復力を上回る疲労がたまり過ぎると体の機能が低下し充分に回復することができず、朝になってもだるい、しんどいということになります。その時の筋肉は老廃物がたまり、弾力性が低下し血行不良の状態となっています。こうなると、まず、コリ感があらわれ、さらに硬くなると酸欠状態になり筋肉が引きつることで痛みが出たりします。また動いて筋肉が引っ張られたり、縮んだ時に痛みを感じたりすることがあります。

(症状)
朝のコムラ返りや寝違いもこの種の原因でおこります。歩いていたら、腰が痛くだるくなる。じっとしていても痛くなり、同じ姿勢を保てない。朝に体が硬くて、起き上がろうとすると腰が痛い。などなど・・・・数限りなくあります。
いわゆる腰痛の大半は、この疲労が大きく影響しており、根深く長引く症状になったり、別の腰痛の引き金になったりもするので要注意です。
治療も予防も、この疲労の取り方がキーポイントになってきます。

(対応)
まずは、自然形体療法で疲労がたまって硬くなっている筋肉に弾力性をつけていくようにし、血行の改善とともに老廃物を流すようにしていきます。また、疲労のひどい場合はダイナミック整体で背骨の中を通る神経に刺激を与え、細胞を目覚めさすようにしていきます。

自宅や仕事の合間には、軽い体操、特に姿勢を正す体操を行うこと。そして、体を冷やさず、入浴・睡眠で充分に休養をとることを心がけると良いでしょう。


<偏った体重のかけ方が大きく影響している場合>

(痛みのメカニズム)
仕事などで偏った体の使い方をしていると、同じ筋肉だけに負担がかかり、その筋肉は緊張していることが当たり前になってしまうため、どんな姿勢であっても何をしていても筋肉は硬いままになっている状態です。常に血行不良の状態である。背骨・骨盤の歪みによる痛みや、疲労による痛みが重なって程度が増した状態といえます。

(症状)
常に痛みがある。姿勢による痛みの程度の変化がほとんどなく、一定の痛みが続いていく。

(対応)
日常生活での姿勢・動作の改善と常に固まった筋肉を動かす体操を続けることが大切です。同時に自然形体療法で、緊張している筋肉と関連する骨盤・背骨を調整していくようにします。そして、体を冷やさず、入浴・睡眠で充分に休養をとることを心がけると良いでしょう。


<同じ動きを繰り返すことで同じ筋肉、関節が損傷している場合>

(痛みのメカニズム)
腰の筋肉に負担をかけながら同じ動作を続けると、その筋肉に伸び縮みのストレスが何度もかかり、弾力性が低下または萎えた状態になり筋繊維が微細に断裂し痛みをおこすことになります。不自然な姿勢でなくても負担をかける度合いが筋肉の許容量を超えると起こり得るのです。その状態を例えると筋肉が摩耗してささくれているようなイメージです。

(症状)
負担のかかる筋肉を押すとはっきりと痛みがある場合と、その筋肉を伸ばしたり力を入れた時に痛みが出る場合がある。

(対応)
物理的に筋肉が長期間のストレスで器質的に変化してしまっているので、理想的には痛みの出る動作を中止し負担の少ない動き方を工夫していくことが必要となります。

そして自然形体療法で弾力性が低下または萎えた状態の筋肉を回復させ、微細に断裂した傷口を閉じるようにしなければいけません。器質的な疾患なので根気よく治療をしていかなければいけません。


<動いた時だけが痛い場合>

(痛みのメカニズム)
普段はまったく痛みがなく、筋肉の損傷もないが、ある動作をした時だけが痛みを感じる場合は、背骨・骨盤を支えている一部の細かい筋肉が動きの時に過緊張を起こし背骨・骨盤をズラしてしまうことで、二次的に周囲の筋肉が緊張し痛みが出てくるのです。普段の姿勢や動作により負担のかかる筋肉が緊張するクセを覚えてしまい、ある動作のときだけ異常に緊張してしまうようなスイッチが入るのです。また、使い過ぎによる疲労、体質、事故などで靱帯がゆるんだり、力が入るべき筋肉が萎えて縮まなかったりして起こることもあります。

(症状)
前や後ろに曲げる時に痛い。物を投げるときに腰をひねると痛くなる。

(対応)
自然形体療法で緊張を起こしてしまう筋肉や周囲の関連する筋肉をゆるめて弾力性をつけていきます。そして、正しい動きを体に覚えさせるようにし、不要に緊張させないように正しいクセ付けをしていきます。

<筋力不足の場合>
人間は日常生活のさまざまな場面で、筋肉と骨格によって体を支え動いているのですが、自分の体重、骨格、動作レベルの割に筋力が弱い場合は、当然大きな負担として感じることになります。したがって、これまでの腰痛の出るパターンの全てが起こりやすくなります。

普段から、無理のない範囲で運動をして少しずつ筋肉をつけていきましょう。そして姿勢・動作に注意し、疲労回復を心がけるのがよいでしょう。